内閣総理大臣・小泉純一郎殿 沖縄の本土復帰31周年にあたり、新基地建設に反対する要請書 2003年5月15日 日本平和委員会  5月15日、沖縄は本土復帰31周年を迎える。  しかし、復帰に当たって県民が求めた「基地のない平和な沖縄」の願いに反し て、いまだに沖縄には在日米軍の75%が集中し、沖縄本島の2割を米軍が占有す る状態が続いている。この米軍基地は、屈辱的な地位協定の下で、県民に対し深 刻な被害をもたらし続けている。同時に、イラク戦争でも嘉手納基地のF15戦闘 機部隊が参加するなど、沖縄の米軍はアメリカの無法な先制攻撃戦略の一大拠点 基地として、きわめて危険な役割を果たしている。こうした米軍基地を縮小・撤 去することと地位協定を改定することは、引き続き県民の強い願いである。  また、イラク戦争に反対する県民世論は90%に達した。こうした平和を求める 県民世論と、無法な戦争への出撃基地である米軍基地の実態は決して相容れない。  私たちは、ここに改めて米軍基地の縮小・撤去、日米地位協定の改定を求める ものである。  このなかで、名護市辺野古沖への新米軍基地建設を強行しようとしていること は極めて重大である。この新基地建設は、アメリカの先制攻撃戦略の一大出撃基 地を莫大な血税を注ぎ込んで新たに建設し、国際的に貴重な自然環境を破壊し、 県民に耐えがたい被害をもたらすものであり、断じて許すことはできない。先日、 宜野湾市長選挙では、普天間基地の県内移設に反対し、五年以内の普天間基地の 全面返還を掲げた伊波洋一市長が当選したが、こうした方向で日本政府が力を尽 くすことこそ求められている。  ■米海兵隊総司令官が新基地建設は米軍の運用上「我々の要求を満たすものを 提出する」と述べているように、この基地建設は米軍機能の強化をめざすものに 他ならない。いかなる世論調査でも県民の7割前後が名護市への県内移設に反対 している。基地を新たに作ることを望む県民はいない。この計画はこうした県民 世論に逆らって、基地を強化・固定化するものである。 ■県知事も名護市長も、「15年使用期限」を新基地建設の前提条件としているが、 米国防総省担当者は「日本政府は米国政府に解決を求める問題としないことを伝 え、すでに合意している」と明言している。この受け入れの前提条件は崩れてい る。 ■自然環境破壊の問題も重大である。世界自然保護会議も国連環境計画も基地建 設が国際自然保護動物ジュゴンの絶滅の危機を招くと警告している。日本自然保 護協会の調査でも基地建設予定地が最も良好な藻場を破壊し、建設がジュゴンの 生存に決定的な打撃を与えるとし、基地建設計画の撤回を求めている。この点で も世界に恥ずべき基地建設は撤回すべきである。また、防衛施設庁が行おうとし ているボーリング調査は、これ自身がジュゴンの生息を脅かすものであり、中止 すべきである。  以上のような点を踏まえ、われわれは名護市への新基地建設撤回と、米軍基地 の縮小・撤去、日米地位協定の改定を求めるものである。